《中国語文法》様態補語|動作の状態を補足説明

文法で「様態補語」と説明されると大変難しく感じますが、

他很累。(彼は疲れています。)

どれくらい疲れているのかというのを、具体的に描写するために

他累得没有食欲。(彼は食欲がないほど疲れています。)

というように、「疲れている」様子を具体的に表現するのが「様態補語」です。

様態補語は、述語部分(上記の場合「疲れている」)を評価・判断したり、具体的に描写したりするために使用します。

1. 様態補語の3パターン

主語+動詞/形容詞+得+様態補語

様態補語は動詞や形容詞述語の後に置いて、動作の状態を補足説明しますが、様態補語部分は動詞・動詞フレーズ・形容詞・形容詞フレーズ・主述フレーズなど様々な形があります。

動作の状態を表すのなら、どんな動詞にも様態補語が使える訳ではないことに注意が必要です。
様態補語が使えるのは、評価、描写、結果という3パターンだけですので、これを覚えておく必要があります。

①動作の状態を評価

他跑得很快
Tā pǎode hěn kuài.
彼は走るのが早い

②動作の状態を描写

房间收拾得干干净净的
Fánjiān shōushide gāngānjìngjìng de.
部屋はきれいに片づけてある。

③動作が原因になって至った結果の状態

她哭得眼红了
Tā kūde yǎn hóng le.
彼女は泣いて目が赤くなった。

2. 地と得の違い

様態補語を勉強していると、同じ「de」という発音で、使い方もちょっと似ている「地」と「得」の区別がつかなくなりませんか?

共通点は「A + 地/得 +B」とした時に、後ろのBが話の主眼になるという点です。

①地

動詞・形容詞を修飾する連用修飾語。(状況語である「地」は動作が行われている状態)

地:動詞・形容詞の前に置き、状況語/副詞句として使われる

形容詞+地+動詞/形容詞
他非常认真地学习。
彼はとてもまじめに勉強している。
→「彼は勉強している」が話の主眼。

②得

形容詞/動詞の後に置き、様態補語として使われる

形容詞/動詞+得+様態補語(形容詞など)
他学习非常认真。
彼の勉強(態度)はとてもまじめだ。
→「まじめだ」が話の主眼。

上記のように説明すると、語順さえ間違えなければ、どちらでも使えるように見えますが、状態補語は動作の状態を補足説明するので、動作の状態でなければ使えません。

例えば、下記のように動作主の気持ちや感情の状態を表すときには状態補語は使えません。そのような場合には、「地」を使います。

「彼はきまりが悪くて行ってしまった。」の場合、動作主の気持ちや感情なので、「得」は使えません。
〇 他不好意思走了。
× 他走不好意思。

3. 目的語の位置

前半部分の動詞が目的語を持つ場合、目的語の位置には注意が必要です。

前半部分の動詞と「得」は、様態補語をくっつけるためのマークなので、必ず動詞の直後に置く必要があります。

そのルールを守るためには、下記の3つの言い回しがありますが、一番使われるのは②のようです。

①動詞を繰り返す
他踢足球踢得很好。
 
②前の動詞を省略
他足球踢得很好。
 
③目的語を話題として主語の前
足球他踢得很好。

4. 結果補語と様態補語の違い

①ニュアンスの違い

A.这个房间打扫干净了。
この部屋は綺麗に掃除しました。(結果補語)
 
B.这个房间打扫干净。
この部屋は綺麗に掃除されています。(様態補語)
 
A.はもともと汚かった部屋を綺麗にした、結果に重点が置かれています。
B.は部屋は綺麗にされているという掃除の状態を評価しています。

②副詞の存在

上記の文例をもう一度見て下さい。結果補語の場合には、動詞と結果補語の間には副詞を入れることはできません。

一方、様態補語は得+形容詞の間に副詞を入れることができます。

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