《中国語文法》方向補語|動作が行われる方向を補足説明 (1)方向補語の3つの種類

動詞や形容詞の後に置かれ、動作が行われる方向や状態が進む方向を表す語を方向補語といいます。

動詞+方向補語

「走来(歩いて来る)」というように、日本語でも同じような表現があるので、結果補語と同様に日本語を母国語とする私たちにとっては、比較的入りやすい文法だと思います。

方向補語を学ぶ上で重要になるのが、下記3つの概念となります。

(1) 方向補語の3つの種類
(2) 目的語の位置
(3) 方向補語の派生義

この記事ではまず基本的な(1)方向補語の3つの種類についてご説明します。

3つの方向補語を覚えよう!
方向性をもつ動詞が方向補語として用いられるのですが、方向補語には次の三種類があります。
A :
B :
C : 複合方向補語(B+A)
方向補語
まずは、この3つの方向補語がどのように使われるかを説明します。

A:来・去

「来・去」は、話し手がいる方向から見た、動作の方向を表します。

了(彼が来た)
了(彼は行ってしまった)

同じ歩いている人を見ている視点の違いにより、近づいてくる場合は「来」、遠ざかるのを「去」で表します。

方向補語では、この「来・去」を動詞の後につけて、前の動詞の表す動作や行為によって、人や物が移動する方向が近づいてくるのか遠ざかっていくのかを表しています。

 pǎolái 走ってくる
 pūqù  とびかかっていく

B:上、下、进、出、回、过、起、开

「上、下、进、出、回、过、起、开」は、動作を行う方向を表します。

方向補語では、この8つの動詞を動詞の後につけて、前の動詞の表す動作や行為によって、人や物がどのように空間を移動するかを表すことができます。

 zǒuxià 歩いて下る
 páshàng  登る

8つの方向補語の表す移動の方向は、ほとんど漢字の意味から読み取ることができますね。

上 :上る
下 :下る
进 :入る
出 :出る
回 :戻る
过 :(ある場所を)通る、通過する
起 :低いところから高いところへ向かう
开 :離れる、広がる

ふむふむ、だいたい漢字を見れば分かるから、日本人だと有利ですね。

ちょっと難しいのが、「过」と「开」ぐらいでしょうか?

 zuòguò zhàn   乗り過ごす
蔓延开(来) mànyán kāi  蔓延する

※「上」も「起」もともに「低いところから高いところへ」の意味がありますが、「上」の後には到達点があるのに対し、「起」の後ろには到達点はありません。

爬上山顶
páshàng shāndǐng
山頂に登る
 
捡起钱包
jiǎnqǐ qiánbāo
財布を拾い上げる

上の例で、「山顶」は到達点ですが、「钱包」は単なる目的語になっています。

C:複合方向補語(B+A)

「動詞+8つの方向補語+来/去」の形を複合方向補語と呼びます。

出来 pǎochūlái  駆けて出てくる
回去 dàihuíqù 持って帰っていく

いかがでしたでしょうか?A、B、Cの三つの方向補語の形を理解できましたか?

私は実は方向補語のこの部分までは、比較的楽に理解することができました。しかしながら、次に説明する目的語の位置のあたりから、頭に?????がいっぱい浮かぶようになってしまい、未だにちゃんと理解できていません。

(1)方向補語の3つの種類 (この記事)
 
(2) 目的語の位置
 
(3) 方向補語の派生義

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中国語検定2級を目指して勉強中です。文法の分かりにくい部分を分かりやすく、ノートを作る感覚でブログの記事にしています。
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