《中国語文法》方向補語|動作が行われる方向を補足説明 (2)目的語の位置

前回の記事で、「走来(歩いて来る)」というような、動作が行われる方向を表す方向補語について、三種類の形があることをご説明しました。

動詞+方向補語

今回の記事では、方向補語の難関となる、目的語の位置について説明しますが、その前に前回学んだ方向補語の3つの種類(A・B・C)について思い出してみましょう。

A :
B :
C : 複合方向補語(B+A)
方向補語
【目的語の取りうる位置】
Aの「来・去」から説明したいところですが、ちょっと難しいので、一番簡単なBから説明させて下さい。

B:上、下、进、出、回、过、起、开

動詞+8つの方向補語+目的語

通常のSVOの形をとるので、一番簡単で頭に入りやすいですね。しかもどんな目的語がきても補語の後ろに付けるので、大変分かり易いです。

他走公园
Tā zǒujìnle gōngyuán.
彼は公園に入った
 
了一个钱包
Tā jiǎnqǐle yíge qiánbāo.
彼は財布を拾い上げた

A:来・去

続いて、ちょっと難しい「来・去」のつくものについて説明します。まず、「来・去」がつくものについては、単純方向補語であっても、複合方向補語であっても、目的語は「来・去」の前に置くのが基本となります。

動詞+目的語+来/去

基本的に持ち運べるもの、持ち運べないもの(場所など)であっても、この目的語の場所を覚えておけば、自分が作文をする分には問題ありません。

爸爸回了。
Bàba huíjiāláile.
お父さんは家に帰ってきた
 
你拿了吗?
Nǐ náqián láile ma ?
あなたはお金を持ってきましたか?

ここからは少し上級編なので、余力のある方だけ覚えればいいと思います。

目的語には、持ち運べるもの、持ち運べないもの(場所など)があります。場所などは、上記目的語のルールで、必ず、「来/去」の前に置かなければなりません。

持ち運べる通常のモノも、基本的には、「来/去」の前に置きます。

ただし、次の二つの条件を満たす場合には、目的語を「来/去」の前にも後ろにも置くことができます。私が余力のある人だけと言ったのは、前にも置けるので、「来/去」の場合は目的語は前と覚えておけば問題ないからです。

  • 動作が既に完了
  • 持ち運べるもの(一般事物)

では、この2つの条件を満たした場合の、目的語の位置について見てみましょう。

「去」という方向補語の前でも後ろでも目的語を置くことができます。ネイティブの方は、この場合は下の目的語は後ろの方が自然に聞こえると言っていましたが、覚えるのが難しいので当面は気にせずに、「来・去」の前に目的語と覚えていきたいと思っています。

〇我寄了一封信
Wǒ jìle yìfēngxìn qù.
私は手紙を1通出した。
 
我寄一封信
Wǒ jìqùle yìfēngxìn.
私は手紙を1通出した。

C:複合方向補語(B+A)

複合方向補語の目的語の位置はかなり複雑なので、頑張って覚える必要があります。

(1) 目的語が場所の場合
必ず複合補語の間に挟みます。上記Bのパターンでも説明しましたが、目的語が場所の場合には必ず、「来・去」の前に目的語を置く必要があります。
他们跑上二楼了。
Tāmen pǎoshàng èrlóu qùle.
彼らは走って2階へ上がっていきました。
 
(2) 目的語が場所以外の場合
意味とニュアンスによって、3通りのパターンがあります。
 
〇他拿一本书出来
Tā ná yìběnshū chūlái.
彼は1冊の本を持って出てきた。
 
他拿一本书
Tā náchū yìběnshū lái.
彼は1冊の本を出してきた。
 
他拿出来一本书
Tā náchūlái yìběnshū.
彼は1冊の本を出した。

一番最後の文章のように、「出来+目的語」とできるのは、場所でない目的語であること、かつ必ず完了した動作であるという二つの条件を満たした場合のみとなります。

いかがでしたでしょうか?A、B、Cの三つの方向補語の目的語の位置を理解できたでしょうか?

私は整理したものの、特に複合補語がまだ頭にしっくり馴染みません・・・・この部分は習うより慣れろの精神で頑張りたいと思います。

今回は、(2)目的語の位置を説明しました。次回は最大の難関である、「方向補語の派生義」について纏めたいと思います。
(1)方向補語の3つの種類
 
(2) 目的語の位置(この記事)
 
(3) 方向補語の派生義
→もうしばらくお待ちください

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中国語検定2級を目指して勉強中です。文法の分かりにくい部分を分かりやすく、ノートを作る感覚でブログの記事にしています。
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